2020-11-02
室内で楽しむ秋
皆さま、こんにちは。暑くもなく、寒くもなく、過ごしやすい秋。いかがお過ごしでしょうか?しかし、今年はお出かけを控えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
そこで本日は、室内で楽しむ秋について、お話したいと思います。
下の写真をご覧ください。赤く紅葉したもみじと松ぼっくりのお干菓子とお抹茶です。先日、お茶のお稽古に伺った際の写真です。
お茶のお稽古では、先生が毎回、今の季節にピッタリなお菓子をご用意くださいます。それも毎回違ったものを取り合わせてくださるのです。お茶のお席ではまず先にお菓子がふるまわれます。お客様全員分のお菓子が盛り付けられた菓子器から、懐紙へ自分の分を取り、先にお菓子をいただきます。「甘くておいしい!」
お菓子をいただき終えると、お抹茶がふるまわれます。お茶碗を口元に運ぶとまずはお抹茶の良い香り、次にまろやかな苦みと旨味を感じます。そして先程いただいたお菓子の甘い余韻とあいまって美味しくいただき、後味がスッキリします。
秋を感じさせてくれるのは、お菓子だけではありません。お茶室全体が季節を楽しむ空間になっています。
襖を開けると8畳のお茶室には、お茶のお道具以外何も置かれていません。静寂な中、お湯を沸かすお釜のシュンシュンという音だけが鳴っています。床の間にはシュウメイ菊が生けられ、水墨画のお軸が掛けられています。
そして、お抹茶を入れる漆塗りの『おなつめ』には糸菊が描かれています。さらにお茶碗にも秋の絵柄があしらわれています。
先生がご用意くださった室内の秋を満喫しながら一服のお茶を20~30分掛けてゆったりといただきます。日常とは全く異なるゆったりした時の流れに癒されながら秋を楽しみ、心もお腹も満たされました。 (yoneda)
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