【社員を活かす社長の視点】第10話:令和時代の組織づくりに必要なこと
ビジネススタイリスト代表の大西美佳です。
平成から令和に元号が変わりました。
新しい時代の幕開けという空気感に包まれていますね。
時代の変化に取り残されたザ・昭和スタイルの考え方の社長のもとでは
ぼやぼやしてたら、社員がそのうち居なくなる・・なんてことが
現実味を帯びてきました。
社長は自分の価値観よりも、これから会社の中心となる若手社員の考え方や価値観に寄り添うマネジメントに頭を切り替えないと会社が消滅することになる。
NHK連続テレビ小説の「半分、青い。」の脚本家の北川悦吏子さんもモノづくりを大企業ではなく、ひとりメーカーに設定しました。
大きな組織では、稟議を回しているうちに半年が過ぎてしまう。
だったら、自分でやっちゃおうという人が増えてきていると。
大きな組織に属しているよりも、個人が力をつけて、発信し、仲間を募り、商品化して世に出したものが、人々の共感を呼び売れていく。まさにそんな時代になっていますね。
私も尖った商品を世に出しているメーカーの高級トースターを買っている消費者の一人です。
個の得意や強みを引き出し、足らないところは補い合う。
特に中小企業こそ、そういう組織作りにいち早く取り掛からないと、働いてくれる社員がいなくなります。
「いやいや、社員の個性に注目なんて、生ぬるい。そんな気の長いことを言っていると会社がつぶれるし、売上も達成できない。」
というお考えの社長さんは多いです。
考えてみてください。
社長がいつまでも社員を最前線で引っ張っていくわけにはいかないんです。
余裕があるうちに、社長がいなくても、会社が回る組織作りに着手してほしいと思います。
うちの社員にはまだ無理と思っている。
もう少し会社が軌道に乗ってから。
幹部が育って、体制が整ってから。
と思われるようですが
それは間違っています。
社長が「うちはまだまだ」と思っている限り、社員をそのように判断していますから
判断している理由(根拠)ばかりが、目に飛び込んでくるのです。
すると、ますます、うちはまだまだだ。という事実をみつけては、その思いが強化されます。
そんな社長に限って、社員が良いアイデアを提案したり、業務提案したとしても、それは〇〇という理由で無理だ。まだまだ詰めが甘いぞ。などと言って
聞く耳を持っていない場合が多い。
そうなると、社員さんはそのうち発言しなくなります。
だって、結局、社長が考えたことしか通らない組織なんですから。
そうなると、社長の考えや器以上の会社には育たないわけです。
『可愛い子には旅させよ。』
自立型社員にしたい、チャレンジ精神を持たせたいなら、失敗してもチャレンジできる風土を作らないと、誰も発言しませんし、チャレンジもしません。
なぜなら、何もしないで、社長に大人しく従っているほうが評価されるからです。
社長は、やってくれたらきちんと評価するのに、誰もやらないから、と思っていますが。
社長は、自分が望んでいることと、自分が社員に向けて発している言動が本当に一致しているのかどうかを、今一度客観視してみてくださいね。
以前、私が参加したコミュニケーション研修に一緒に受講されていた社長さんが
お昼休みに「うちの社員は、〇〇をするのはとってもいいことだから
〇〇するように何度も言っているのだが、誰も実行しない。困ったもんだよ。」
と発言されていました。
え?いや、研修の講義の中で、相手のタイプに応じた伝え方をしないと相手には伝わらないないし、行動を変えることはできないですよ。と学んだばかりなのに・・(笑)
そう、人は、理論としては理解できる。また、知識としてはわかっているけど
自分事ととなると、全く学んだことを「知っている」から「できている」にできないものなのです。
だから、ご自分を変えるには相当な覚悟と、自身を客観視する力が必要なんです。
自分のスタイルに気づくのは、自分では難しいようですよ。
裸の王様にならないうちに、社員を活かす視点をもってくださいね。